歴史あるのぼり旗
2017.04.23

紺色ののぼり旗というと国旗がすぐに思いつくでしょう。それだけ旗というのはそれを掲げる者たちにとって、自分の所属しているものに対するシンボルのようなものです。昔に遡りますと、中国の三国時代を題材とした作品では蜀、魏、呉といった自国の旗、あるいは所属する部隊の隊長の名を描いた旗を掲げて戦場を駆け巡る、という光景が浮かびますね。旗というのは古来より戦いのために使用していました。中国だけでなく、ヨーロッパでも民族のシンボルを描いて掲げて戦争しています。他にも海賊旗もありますよね。船の上部に自分の海賊としてのシンボルを描いて掲げているというのが思い浮かぶかと思います。それだけ旗というものは、自軍の象徴として掲げる事で味方にも敵にもアピールできる代物だったのです。

おや?これと似たようなもの、日本にもありましたね。そう、戦国時代です。とはいえのぼりの始まりというのはそれよりも前といわれています。武士たちが自軍と敵軍の識別を行うために、長い布の短辺に木を通して紐で吊り上げ、風になびかせました。これは流れ旗と呼ばれ、軍団の象徴として掲げられました。室町時代になって武家の一族同士で争いがおき、同じ流れ旗、同じ家紋を用いたために混乱が生まれ、ここにのぼりが生まれたとされています。流れ旗と違って管理がしやすい点も評価され、戦国時代では全国で使われるようになりました。戦国時代の絵を見ると、合戦場を埋め尽くす武士たちと、多くの旗が見られますね。その中でも長方形のものがのぼりです。その効果は敵味方識別というだけに留まらず、のぼりを見る事で自軍は健在だ、あるいは遠くにあるあののぼりは敵地へと食い込んでいる、それに続け!とばかりに士気を向上させる効果がありました。あるいは敵から見て、あののぼりはかの有名な誰々が近くにいる、気をつけろ!と判断できる要素にもなります。家紋が掲げられているので、遠くから見てもすぐにどこの家に所属しているのかが味方だけでなく敵にも知られやすいのです。

時代を経て、のぼりは遠くからでも見える広告として存在を示します。そう、遠くから見てあれはなんだ?と思い、ぱっと内容を見て判断できる。その要素が今もなお生き、戦場ではなく商売の場として使用されているのです。それが大量に並ぶこともありますが、ある意味これは商売による戦いとして掲げているようなものでしょうか。戦場が変わっても、戦いのためにお店の名を掲げられている、という点はのぼりも変わっていないのかもしれません。

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